具現化アプリ
☆☆☆

翌日、学校へ到着するとノドカの様子が明らかにおかしかった。


椅子に座り、クラスメートたちに声を掛けられても完全に無視しているのだ。


意地悪でそうしているのではなくて、顔色が悪く、今にも倒れてしまいそうだ。


「ちょっと、どうかしたの?」


さすがに心配になったあたしは声をかけた。


ノドカがゆっくりと顔を上げる。


目の下にはくっきりとクマが刻まれていて、眠っていないことがわかった。


「……昨日、コウダイからメッセージが来なかったの」


コウダイくんの名前が出た瞬間、心臓がドキッと大きく跳ねた。


思わずノドカから視線を外す。


「そ、そうなんだ?」


「こんなこと今まで1度もなかったんだよ? 毎日、寝るまでずっとメッセージしてたんだから!」
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