具現化アプリ
☆☆☆

放課後の井戸に現れている骸骨の手は、想像通りみんなを喜ばせた。


最初は怖がっていた子も、最近では少しずつ慣れてきたようで、骸骨をマジマジと見つめていた。


「ここにいるのは骸骨だったんだね。てっきり、今までみたいな人の形をした幽霊だと思ってた」


「幽霊も姿形はそれぞれだからね」


あたしはわかったように説明する。


そんな中、後からついてきた子たちの話声が聞こえてきた。


「今回はあまり怖くなかったね」


「本当だね。ただの骨だもん」


そう言って笑い合っている。


あたしはムッとして2人組を睨みつけた。


2人組はとっさに黙り込む。
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