具現化アプリ
☆☆☆

昼休憩の時間を使い、あたしは職員室へ来ていた。


今日の日直当番の子がプリントを回収し忘れたということにして、職員室に入っていく。


もちろん、本当はあたしがわざとプリント回収の役目を代わってもらったのだ。


「先生プリント持ってきました」


「あぁ、すまないな飯田」


先生にプリントを渡し、職員室から出る手前で足を止めた。


出口の右手に鍵を保管しているケースがある。


そのケース事態には鍵がかけられていなくて、先生の許可があれば誰でも持ち出すことができた。


あたしは何食わぬ顔でケースを開け、体育館の鍵があることを確認すると、それを素早くスカートのポケットへ入れた。
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