具現化アプリ
そんなあたしにノドカがゆっくりと近づいてきた。


その手には透明な糸のようなものが握られている。


「ピアノ線だよ」


ノドカはそう言って糸をあたしへ見せてきた。


「え……?」


「さっき、ミキコがひっかかってこけたのはこれが原因」


「ピアノ線って……どうしてそんなものが?」


「まだわからないの?」


ノドカはそう言うとポケットからあたしのスマホを取り出したのだ。
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