具現化アプリ
☆☆☆

「この学校には本当に幽霊がいるんだよ」


「うんうん。そうだよね!」


一週間後、あたしの話に熱心に耳を傾けてくれるノドカ。


しかし、他の子たちは話に飽きたのか全然近づいてきてくれない。


「それで?」


「そ、それでね……」


ノドカは相変わらずあたしの嘘を目を輝かせて聞いてくれてりる。


それは嬉しいのだけれど、みんなの注目が減ってきていることが不満だった。


つい一週間前まであたしがクラスで1番注目されていたのに、今はみんな思い思いの時間を過ごしている。


美容だったり、ファッションだったり、みんなの興味の移り変わりは激しいのだ。


あたしはうつむき、机の木目を見つめた。


どうにかしてみんなの注目を集めることができないだろうか?


考えてみても、いい案は見つけられない。


化粧は苦手だし、ファッションにも疎い。
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