具現化アプリ
心霊現象のように嘘をつけば、『それは流行とは違う』と、すぐにバレてしまう。


「どうしたのミキコ?」


気がつくとノドカが心配そうにあたしの顔を覗き込んでいた。


「な、なんでもないよ」


慌ててそう答え、笑顔を作る。


いつまで経ってもノドカはあたしの霊感を信用していて、嘘のい話をちゃんと聞いてくれる。


でも、ノドカ1人のために嘘をつくのも疲れてきていた。


「まぁた嘘ついてんの?」


そう声をかけてきたのはクラスメートの吉田さんだ。


吉田さんはマナミたちと仲良くなり、あたしをからかってくるようになっていた。
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