具現化アプリ
☆☆☆
「ねぇミキコ、今日の怖い話はなに?」
いつもと変わらない学校生活だった。
あたしは自分の机に書かれたラクガキを消しながらノドカへ向けて話し出す。
「あのね、あたし昨日金縛りにあったの!」
「嘘、体が動かなくなったの!?」
「そうだよ! 手も足も動かなくてさ、でも、目だけは動かせた」
「それで、どうなったの?」
「体の上がズッシリ重たくなって、黒いモヤが覆いかぶさってきたんだよ!」
「きゃー! 怖―い!」
「良く見るとそのモヤは見たことのないおじいさんでね、今朝起きたら何件か先のおじいさんが亡くなってて……」
「それって、最後にミキコのところに出てきたってこと?」
「うん。たぶんね」
そんな話をしているうちに、ラクガキは奇麗になる。
クラスメートたちは白けた表情であたしを見るけれど、あたしの心は安定していた。
こうして毎日嘘をついて。
気がつけばラクガキは消えている。
ノドカを引きとめておくために、あたしは毎日嘘を考えるんだ……。
「ねぇミキコ、今日の怖い話はなに?」
いつもと変わらない学校生活だった。
あたしは自分の机に書かれたラクガキを消しながらノドカへ向けて話し出す。
「あのね、あたし昨日金縛りにあったの!」
「嘘、体が動かなくなったの!?」
「そうだよ! 手も足も動かなくてさ、でも、目だけは動かせた」
「それで、どうなったの?」
「体の上がズッシリ重たくなって、黒いモヤが覆いかぶさってきたんだよ!」
「きゃー! 怖―い!」
「良く見るとそのモヤは見たことのないおじいさんでね、今朝起きたら何件か先のおじいさんが亡くなってて……」
「それって、最後にミキコのところに出てきたってこと?」
「うん。たぶんね」
そんな話をしているうちに、ラクガキは奇麗になる。
クラスメートたちは白けた表情であたしを見るけれど、あたしの心は安定していた。
こうして毎日嘘をついて。
気がつけばラクガキは消えている。
ノドカを引きとめておくために、あたしは毎日嘘を考えるんだ……。