こぼれ落ちていく
『アンタ何しに電話でんねや。』
リビングで煙草を吸いながら、先程よりも少し冷静に母が尋ねてきた。
『怒られるのわかってたし。』
電話でても怒られるなら、
でないほうがマシだしね。
『何しに、無断外泊や。随分立派なご身分やでの。登校日にも行かず、男の家に転がりこんでや。』
だんだん母の怒りが増してきたよ。
『帰るの面倒になっただけ。』
『ほなお前!!これから先どないするんや!!明日から学校やろが!!男連れてこんかい!!』
─バシッ─
右頬をぶたれてしまった。
痛い。
母よ。私だって、駄目なことだってわかってるよ。
でもね、駄目なことでも
竜也の側にいたいんだ。