クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~


「お、良かったなぁ紫織、送ってもらえ」

「あ、えっと……。でも、申し訳ないですし」

 またさっきのように楽しい話を聞けるかもしれない。そう思うと胸がワクワクしたが、手放しでは喜べない事情もある。
 なにしろ彼は副社長。宗一郎の右腕だ。
 荻野副社長と親しくなればなるほど宗一郎への距離は近くなるということなので、関わらないほうが無難である。

 とはいえ、そんな紫織の胸の内など彼は知る由もない。

「大丈夫、大丈夫。アルコールは一滴もとっていないし、安心してください」

 そこまで言われては断れなかった。

「――では、遠慮なく、すみません」

「とんでもない。美人を送れるなんて光栄ですよ」

「あはは、今日は沢山褒めてくださるんですね。ありがとうございます」

それでもやはり気になった。
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