クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
彼はいつの頃からか朝食はとらなくなった。
会社で飲むコーヒーだけで午前中をやり過ごすという生活に慣れたせいか、昼まで食欲がわいて困るということはない。
となれば痩せていそうだが、空いた時間にジムに通いプロテインを飲んでいるためか、スラリと背が高い体にはしっかりと付くべき筋肉がついていて、それほど痩せているという感じはなく均整の取れた体にはカジュアルなスーツがよく似合う。
着替えを済ませ、彼は会社に向う。その手段は基本的に徒歩。
代わり映えのない沈みきった毎日の中で、少し早い朝の、この時感じる風を彼は好きだった。
歩くこと時間にして十五分。
メイン通りから一歩路地に入ったところで彼のオフィスが現れる。
いまから二年前。
光の加減によって、崩れ落ちる積み木のようみ見えるデザイン性に富んだこのビルに、彼は一部の社員と共に移ってきた。
このビルはいまの彼にとって、唯一の生きる光を見せてくれる場所でもある。
警備員に挨拶をしてエントランスを進み、エレベーターを待っていると、ひとり、ふたりと後ろに社員が現れた。
いつもより更に早い出勤なので、誰にも会わないだろうと思ったが、二百人はいるとやはり誰かしら仕事に追われている社員はいるものだ。
「おはようございます」
「おはよう。どうだ? 間に合いそうか?」
「はい。予定通りにはなんとか」
「無理はするなよ? 体を壊してもいいことはないからな。今日も残業になるようならなんとか考えよう。遠慮しないで言ってくれ」
「はい。わかりました」
「お前もだ。佐藤、無理はするなよ」
「はい」
会社で飲むコーヒーだけで午前中をやり過ごすという生活に慣れたせいか、昼まで食欲がわいて困るということはない。
となれば痩せていそうだが、空いた時間にジムに通いプロテインを飲んでいるためか、スラリと背が高い体にはしっかりと付くべき筋肉がついていて、それほど痩せているという感じはなく均整の取れた体にはカジュアルなスーツがよく似合う。
着替えを済ませ、彼は会社に向う。その手段は基本的に徒歩。
代わり映えのない沈みきった毎日の中で、少し早い朝の、この時感じる風を彼は好きだった。
歩くこと時間にして十五分。
メイン通りから一歩路地に入ったところで彼のオフィスが現れる。
いまから二年前。
光の加減によって、崩れ落ちる積み木のようみ見えるデザイン性に富んだこのビルに、彼は一部の社員と共に移ってきた。
このビルはいまの彼にとって、唯一の生きる光を見せてくれる場所でもある。
警備員に挨拶をしてエントランスを進み、エレベーターを待っていると、ひとり、ふたりと後ろに社員が現れた。
いつもより更に早い出勤なので、誰にも会わないだろうと思ったが、二百人はいるとやはり誰かしら仕事に追われている社員はいるものだ。
「おはようございます」
「おはよう。どうだ? 間に合いそうか?」
「はい。予定通りにはなんとか」
「無理はするなよ? 体を壊してもいいことはないからな。今日も残業になるようならなんとか考えよう。遠慮しないで言ってくれ」
「はい。わかりました」
「お前もだ。佐藤、無理はするなよ」
「はい」