クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
起きている時間のほとんどを、彼は仕事で費やしていると言ってもよかった。
執務室に入ると、まずは警備員から受け取っていた新聞を読む。オンラインの契約もしているが、新聞は大きく広げて端からはじまで紙面に目を通すことが彼の習慣だった。
世の中を知ること。それが基本だと彼は信じている。
八時半過ぎ、扉がノックされる。
顔を覗かせたのは彼の秘書、松井光琉。
「寝不足ですかぁ?」
トレイにコーヒーを載せた光琉は、どこか間の抜けたような声で聞く。
「あぁ、ちょっとな」
「ダメですよぉ。夜遊びは週末にしないと」
「はいはい」
「午前中は、お客さまもないですしぃ、特に会議の予定もないですから、少しでも休んでくださいね?」
心配そうに首をかしげた光琉は、少し口を尖らせてから執務室を出ていった。
ひとりになると、早速コーヒーを口にした。
『私、美味しいコーヒーをいれるのが得意なんですよぉ』
そう言っていた通り、光琉のコーヒーは相変わらず温度も味も絶妙に美味い思う。喫茶コーナーにあるこだわりの自動販売機のコーヒーも悪くはないが、朝だけは光琉のいれてくれたこのコーヒーを飲まなければ、彼の一日ははじまらない。
それにしても、見るからに寝不足という顔をしているのはあまり褒められたことではないか。
そう思いながら、ちらりと部屋の隅にある長椅子を見た。
社長室の隅には背もたれのない長椅子が置いてある。椅子が足りない時のために置いたものだが、実際は仮眠に使うことのほうが多かった。
昼休みにでも仮眠をとるかとため息をついた時、またノックの音がして返事をする前に扉が開いた。
執務室に入ると、まずは警備員から受け取っていた新聞を読む。オンラインの契約もしているが、新聞は大きく広げて端からはじまで紙面に目を通すことが彼の習慣だった。
世の中を知ること。それが基本だと彼は信じている。
八時半過ぎ、扉がノックされる。
顔を覗かせたのは彼の秘書、松井光琉。
「寝不足ですかぁ?」
トレイにコーヒーを載せた光琉は、どこか間の抜けたような声で聞く。
「あぁ、ちょっとな」
「ダメですよぉ。夜遊びは週末にしないと」
「はいはい」
「午前中は、お客さまもないですしぃ、特に会議の予定もないですから、少しでも休んでくださいね?」
心配そうに首をかしげた光琉は、少し口を尖らせてから執務室を出ていった。
ひとりになると、早速コーヒーを口にした。
『私、美味しいコーヒーをいれるのが得意なんですよぉ』
そう言っていた通り、光琉のコーヒーは相変わらず温度も味も絶妙に美味い思う。喫茶コーナーにあるこだわりの自動販売機のコーヒーも悪くはないが、朝だけは光琉のいれてくれたこのコーヒーを飲まなければ、彼の一日ははじまらない。
それにしても、見るからに寝不足という顔をしているのはあまり褒められたことではないか。
そう思いながら、ちらりと部屋の隅にある長椅子を見た。
社長室の隅には背もたれのない長椅子が置いてある。椅子が足りない時のために置いたものだが、実際は仮眠に使うことのほうが多かった。
昼休みにでも仮眠をとるかとため息をついた時、またノックの音がして返事をする前に扉が開いた。