クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~

「言いたくないなら、無理に言わなくていい。でも紫織、そんなふうにひとりで思い詰めているとろくなことはないぞ? ひとりで掘り下げて、どこまでも掘り下げてみても、深みにはまるだけで答えなんかないんだ」

「そんな……。じゃあ、どうしたらいいって言うんですか」

「答えなんか探そうとするな、辛かったらケツ捲って逃げろ」

「え?」

「お前はいちいち真面目過ぎるんだよ。普通はそんなに自分を追い詰めたりしないのに、損な性分だな。もっと自分のことを褒めて可愛がってやれよ」

「課長……。ウソでも、いいんです。売れ残ったら、私を、お嫁にするって、言ってください」
ヒック、ヒックとしゃくりあげながら訴えた。

「ええ? 愛はなくても結婚はしたいのか?」

「私なんて、迷惑にしかならないから、イヤですか?」
 しゃっくりと共にまた涙がこぼれた。

「――紫織? わかったわかった。売れ残ったら嫁にしてやるよ」
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