クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
少し大きな声に驚いて、紫織は慌てて周りを見渡した。
誰もいないことにホッとしたのもつかの間。宗一郎は何やら深刻そうにジッと見つめながら、一歩また一歩と近づいてくる。
「ちょ? ちょっと? そ、宗一郎?」
「誰に見られたって構わない。どうせ俺には紫織しか愛せないんだ」
「――な、なに言ってるの?」
「何度もあきらめようと思った。だけどやっぱり無理だ」
気が付いた時には、壁に背中がぶつかって逃げられず。そのまま抱きしめらた。
「紫織」
――宗一郎?
「ごめん。俺にはやっぱりお前しかいない」
それは突然の、強引なキスだった。
宗一郎の胸を叩き、何とか唇が離れたところで、わけも分からず「わかったから」と口が勝手に言っていた。
見上げる宗一郎はニコリともせず、他には何も見えないと言わんばかりにジッと見つめてくる。
「なにがわかったんだ?」
「と、とにかく。ここは、会社だから。ね?」
「じゃあ、今晩、紫織のマンションに行ってもいいか?」
「うん。うん、いいよ。来て、だから、ね?」
「京都に帰るんだろう?」
「そ、それは、大丈夫。明日じゃなくても、変更できるから」
「ほんとうに?」
髪を撫でられながら、うんうんと大きく頷いた。
「わかった」と言いながら、変わらぬ熱い瞳を近づける彼は、もう一度、今度はゆっくりと唇を重ねてきた。
――あぁ、ビックリした。
宗一郎がようやく体を離したところで、話し声が聞こえてきて、慌ててその場を離れたが。
――ど、どうしちゃったの?
席に戻った紫織は、胸に手をあてて息を大きく吐いた。
心臓は狂ったように暴れていて、胸の鼓動は少しも大人しくなってくれない。
誰もいないことにホッとしたのもつかの間。宗一郎は何やら深刻そうにジッと見つめながら、一歩また一歩と近づいてくる。
「ちょ? ちょっと? そ、宗一郎?」
「誰に見られたって構わない。どうせ俺には紫織しか愛せないんだ」
「――な、なに言ってるの?」
「何度もあきらめようと思った。だけどやっぱり無理だ」
気が付いた時には、壁に背中がぶつかって逃げられず。そのまま抱きしめらた。
「紫織」
――宗一郎?
「ごめん。俺にはやっぱりお前しかいない」
それは突然の、強引なキスだった。
宗一郎の胸を叩き、何とか唇が離れたところで、わけも分からず「わかったから」と口が勝手に言っていた。
見上げる宗一郎はニコリともせず、他には何も見えないと言わんばかりにジッと見つめてくる。
「なにがわかったんだ?」
「と、とにかく。ここは、会社だから。ね?」
「じゃあ、今晩、紫織のマンションに行ってもいいか?」
「うん。うん、いいよ。来て、だから、ね?」
「京都に帰るんだろう?」
「そ、それは、大丈夫。明日じゃなくても、変更できるから」
「ほんとうに?」
髪を撫でられながら、うんうんと大きく頷いた。
「わかった」と言いながら、変わらぬ熱い瞳を近づける彼は、もう一度、今度はゆっくりと唇を重ねてきた。
――あぁ、ビックリした。
宗一郎がようやく体を離したところで、話し声が聞こえてきて、慌ててその場を離れたが。
――ど、どうしちゃったの?
席に戻った紫織は、胸に手をあてて息を大きく吐いた。
心臓は狂ったように暴れていて、胸の鼓動は少しも大人しくなってくれない。