クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
***
夜になると秋の虫が鳴き始めた頃。
それは唐突な室井の宣言だった。
「紫織、俺結婚することになったぞ」
「ええ?!」
聞けば花マルの頃から付かず離れずの関係だったとかなんとか。
「奥さんになる方って、どんな感じの女性なんですか?」
「うーん、そうだなぁ……一言で言うと不器用な奴」
「またそういう失礼なことを」
「彼女だ」とスマートホンを見せる室井の手から、スマートホンを強引に取った紫織は、画面の中で微笑んでいる女性を指先で引き延ばした。
写真を見る限りでは不器用かどうかはわからないが――。
「すごい美人じゃないですか」
当然のように「まあな」と済まして答える室井は、満足げにニヤリと笑う。
「スタイルもいいだろう」
――確かに。
上半身しか写ってはいないが、細身のようなのにどうみても胸が大きい。
「不器用ってどう不器用なんですか?」
「ん?――どうって」
夕べ彼女と一緒に、食べ終わったカレーライスの後片付けをしていた時、手を滑らせた彼女が盛大な音を立ててグラスを割ったことを思い浮かべた室井は、そもそもの出会いを思い出した。
とあるパーティでのことだ。振り向きざまにぶつかってきた彼女にワインをかけられた。驚いた 彼女はグラスを手放し、室井は慌ててそのグラスを床ギリギリで受け止めた。
「まぁ、とにかく色々とだ」
夜になると秋の虫が鳴き始めた頃。
それは唐突な室井の宣言だった。
「紫織、俺結婚することになったぞ」
「ええ?!」
聞けば花マルの頃から付かず離れずの関係だったとかなんとか。
「奥さんになる方って、どんな感じの女性なんですか?」
「うーん、そうだなぁ……一言で言うと不器用な奴」
「またそういう失礼なことを」
「彼女だ」とスマートホンを見せる室井の手から、スマートホンを強引に取った紫織は、画面の中で微笑んでいる女性を指先で引き延ばした。
写真を見る限りでは不器用かどうかはわからないが――。
「すごい美人じゃないですか」
当然のように「まあな」と済まして答える室井は、満足げにニヤリと笑う。
「スタイルもいいだろう」
――確かに。
上半身しか写ってはいないが、細身のようなのにどうみても胸が大きい。
「不器用ってどう不器用なんですか?」
「ん?――どうって」
夕べ彼女と一緒に、食べ終わったカレーライスの後片付けをしていた時、手を滑らせた彼女が盛大な音を立ててグラスを割ったことを思い浮かべた室井は、そもそもの出会いを思い出した。
とあるパーティでのことだ。振り向きざまにぶつかってきた彼女にワインをかけられた。驚いた 彼女はグラスを手放し、室井は慌ててそのグラスを床ギリギリで受け止めた。
「まぁ、とにかく色々とだ」