クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
「素敵ね、髪飾り。真珠?」
「ええ、そうよ。もとは五個セットだったの。でも、ひとつは無くしてしまったの。随分前に」
石塚と藤村宗一は同じ大学の親友だった。
藤村と目の前にいる彼の妻は、学生時代に知り合ったという。
ということは石塚と彼女も当然、接点はあっただろう。
あの日に限り、開いていた窓はリビングだけじゃなかった。寝室の窓も開いていた。
風に揺れるカーテン。
あれは全てを消すためだった。