クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
――それにしても魅惑的だわ。
そう思いながら、紫織はまじまじと彼女の後姿を見た。
ツンと張った胸とは対照的に、小さくて形のよいお尻が歩く度にタイトスカートの中でプリプリと揺れている。そこから伸びる足のラインは柔らかいカーブを描き、まるでアニメの世界から飛び出したように華奢で細い足首に辿り着く。
彼女が微笑みかければ、どんな男性もイチコロだろう。
羨ましいような、なんとも複雑な気持ちで視線を外すと、ガラス窓が紫織の目に映った。
凹凸の少ない体に、自信を失った情けない表情のアラサー女子が、ジッとこちらを見ている。
――あれは誰?
どう見ても自分には違いないが、深く考えないことにして、スッと目を逸らした。
いずれにしても自分とは随分違う。同じ女としての開きに愕然とする思いで肩を落とし、隣を見上げれば、室井の目はニコニコとうれしそうに光琉ちゃんのお尻を見ていた。
――でしょうとも。……ええ わかります。
コンコン。
光琉ちゃんの可愛い手がドアをノックする。