クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
慌ててバッグから履歴書を取り出して、社長の前に差し出した。
「ふ、藤村紫織です。よろしく、お、願いします」
そう言うのが精一杯だった。
挨拶をした後は、荻野副社長の質問が続いた。
『花マル商事』では具体的にどんな仕事をしていたか、これはできるか?あれはできるか?などを聞かれ、今後の業務についての説明を受けた。
雇用条件や、ざっくりとした『SSg』の業務内容も全て、荻野副社長の口から聞かされた。
その間、鏡原社長はどうしていたかというと、彼はただ黙って紫織の履歴書を見つめていただけだった。
三十分ほどが経ち。
荻野副社長と共に社長室を出た紫織と室井は、途中色々と説明を受けながら、用意されていた三階の席へと案内された。
「何かわからないことがあれば、秘書の元木か、総務に聞いてくださいね」