クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
雇用者の欄に書かれているその文字に、紫織の視線は釘づけになる。
別れてから七年。
社長になって現れた元恋人は、洗練されて驚くほど大人の顔になっていた。
ふたりが付き合っていた学生時代は、いつだって安物のジーンズを履いていて髪だってボサボサだった彼。
――もしかして、宗一郎は花マル商事から来るのが私だと知っていたの? その上で雇用を申し出てくれた?
湧きあがる淡い期待に、はからずもドキドキと胸はときめく。
すると、ポンと、軽い音がパソコンから聞こえた。
見れば、ディスプレイの中央にポップアップメニューが表示されていた。そこには鏡原宗一郎という名前の表示と、開封というボタン。
ドキッと飛び上がらんばかりに心臓が暴れだし、思わず紫織はキョロキョロと周りを確認した。
――大丈夫。課長も誰も見ていない。
見渡しても誰からも画面が見えないことに安心して、深呼吸をした。
そして、そっと開封ボタンを押す。
――えい!
『随分変わったな。
履歴書を見るまで、誰だかわからなかったよ。
で? 俺が社長だから、来たのか? 鏡原』
別れてから七年。
社長になって現れた元恋人は、洗練されて驚くほど大人の顔になっていた。
ふたりが付き合っていた学生時代は、いつだって安物のジーンズを履いていて髪だってボサボサだった彼。
――もしかして、宗一郎は花マル商事から来るのが私だと知っていたの? その上で雇用を申し出てくれた?
湧きあがる淡い期待に、はからずもドキドキと胸はときめく。
すると、ポンと、軽い音がパソコンから聞こえた。
見れば、ディスプレイの中央にポップアップメニューが表示されていた。そこには鏡原宗一郎という名前の表示と、開封というボタン。
ドキッと飛び上がらんばかりに心臓が暴れだし、思わず紫織はキョロキョロと周りを確認した。
――大丈夫。課長も誰も見ていない。
見渡しても誰からも画面が見えないことに安心して、深呼吸をした。
そして、そっと開封ボタンを押す。
――えい!
『随分変わったな。
履歴書を見るまで、誰だかわからなかったよ。
で? 俺が社長だから、来たのか? 鏡原』