クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
美由紀は『株式会社SSg』を検索し、ホームページを開いた。それから鏡原宗一郎に関する記事もいくつか読んだ。
実は、こうして調べるのは初めての事じゃない。
美由紀は宗一郎が『SSg』という会社を立ち上げて成功したことは知っていた。出版社で働いていることもあって、偶然彼の記事を目にしたことがあったからだ。
彼はいつか紫織を迎えにくる。
密かにそう信じていたのに。
彼は変わってしまったのだろうか?
画面の中で彼は薄く微笑んでいる。
青年実業家らしく、生気に溢れた強い瞳をしてる彼は、あの頃のように俯いてはいないだろう。
堂々と胸を張ってオフィスを歩いているはずだ。
眼鏡もかけてはいないが、面影はそれほど変わっていない。
「信じていたんだけどなぁ」
美由紀は人知れず、そう呟いた。