クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
「え? それってどういうこと?」
思わず聞き返した。
「私はお店から叩き出されてぇ。その日、社長はお客さんで店に来ていたんですね。それで、『これからどうするんだ?』って、バッグを拾ってくれて。『うちで働くか?』って」
「そ、いや、その、鏡原社長は常連さんだったってこと?」
「ええ、接待に使ってくれていたんです」
――キャバクラで接待……。そして女の子を秘書にスカウト?
ありえない。
宗一郎は本当に変わったんだ。
入社して一週間。
紫織が彼に会ったのは、挨拶をした初日だけである。もちろん一度も口を聞いていないし、メッセージも送られても来ない。まぁメッセージが送られてきても困るだけだから、それはいいのだけれど。
でも、一度くらい謝ってくれてもいいんじゃないだろうかとも思うのだ。
言い過ぎたごめん。とか。
それくらいしてくれても良いじゃないのか。
なのに、廊下ですれ違っても彼は視線も合わせないし振り返りもしない。
目が合ったら、睨んでやろうと思っていたのに、そんな機会もない。
「紫織さんは?」
「え?」
「紫織さん、恋人は?」
思わず聞き返した。
「私はお店から叩き出されてぇ。その日、社長はお客さんで店に来ていたんですね。それで、『これからどうするんだ?』って、バッグを拾ってくれて。『うちで働くか?』って」
「そ、いや、その、鏡原社長は常連さんだったってこと?」
「ええ、接待に使ってくれていたんです」
――キャバクラで接待……。そして女の子を秘書にスカウト?
ありえない。
宗一郎は本当に変わったんだ。
入社して一週間。
紫織が彼に会ったのは、挨拶をした初日だけである。もちろん一度も口を聞いていないし、メッセージも送られても来ない。まぁメッセージが送られてきても困るだけだから、それはいいのだけれど。
でも、一度くらい謝ってくれてもいいんじゃないだろうかとも思うのだ。
言い過ぎたごめん。とか。
それくらいしてくれても良いじゃないのか。
なのに、廊下ですれ違っても彼は視線も合わせないし振り返りもしない。
目が合ったら、睨んでやろうと思っていたのに、そんな機会もない。
「紫織さんは?」
「え?」
「紫織さん、恋人は?」