クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~


 営業部があるのは三階。
 ホシの元へ向かった。

「お疲れ」

「あ、社長。すみません。実は例のコラボの件なんですが」

 営業部には、紫織がいる。

 宗一郎が立っている場所から左のほうに彼女の席はあり、しっかりと視界の隅で存在感を出していた。

 クスクスと楽しげな笑い声が聞こえ、思わず左を振り返ると、
 開発部の社員が紫織の席のパーテーションに手をかけて、なにやら話をしている。

「社長?」

「ん? ああ、わかった。心配はないと思うが、念のため俺からも言っておくよ」

「はい。よろしくお願いします」

 話が済んで、エレベーターに乗るまで、紫織の声は耳に届いた。

「やだぁ」

 ――はあ?
 仕事中に、なにチャラチャラしてんだよ。
 ふざけやがって。
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