クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~
「うわー。課長ー。なんだかすごいですね」
賑やかな音楽とキラキラと会場を飛び交うような光線に紫織は圧倒された。
「ああ、そうだな」と室井も微笑む。
入社したのだからせめてと『SSg』が扱っているゲームを買ってみたりスマートホンにダウンロードしてはみたが、いまだにさっぱりわからない紫織には、異空間だった。
こんな風に一流ホテルの広い会場で、パーティをするような会社に自分がいることが不思議な気がするし、場違い感も拭えない。
かろうじてゲームには戦国武将ものもあるので、着物でもいいのよね? とは思ったがそれはあくまでも外見の話だ。
みんな時代の最先端にいて、しかもこのパーティの主催者は宗一郎なのである。
彼が変わったとか、そういう次元の話ではないような気がした。
すでに彼とは住む世界そのものが違う。
――そうか。
そういうことなのね。
もう、世界から違うんだわ……。