友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「最低でしょ?私。自分のことしか考えられないの。」
「玲奈」
「傷つけてごめんね。でも私はこういう人間なの。誰かのことを傷つけてでも自分のことは守りたい。」
「・・・」
「だから、ごめんなさい。もう、連絡もしないでください。」

私はそう言って、カバンからお金を出して机に置いた。

「ごめんね」

この場からすぐに立ち去りたくて、私は立ち上がり渉の方に背を向ける。


「いらない」
低い渉の声が聞こえてくる。
「昨日もカフェで待たせちゃったし。その分も取っておいて。じゃあ」
背を向けたまま言った私は店の扉の方に進み始める。
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