友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
夜、一人ベッドに横になりながら天井を見た。

実家の部屋には小さな窓がひとつ。
広さも今の半分もない部屋。

ここに越してきたときのことを思いだす。

大切な人と離れることは寂しかった。
でも、ここで自分で自分の新しい場所をつくっていくんだと、何度も天井を見上げながら思った部屋。

大きな窓を開けて、深呼吸しながら・・前に進むんだと何度も何度も自分に言い聞かせた部屋。

思い出が詰まっている。



ここから出たら・・・本当にもう最後。

戻らない。

戻れない。
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