友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
私は実家のカギを出して家のカギを開けようとした。

『ガチャッ』
その時内側から玄関のドアが開いて、私は驚いて後ろに下がる。
「わっ!驚いた」

玄関から出てきたのは母だった。

少し顔のしわが深くなっている母。
でも、雰囲気は変わらない。

「何?帰ってきたの?」
「・・・うん。少しだけ・・」
「私これから夜勤なの。時間ないから。」
母はそう言って私の横を通り過ぎた。

数年ぶりの娘との再会なのに、母はそっけない。

母の後ろ姿を見ていると、母が急に振り返った。
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