友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「もう玲奈が何を言っても俺ははなさない。玲奈を離さない。はなれない。」
「・・・嫌だ」
「どんなに拒絶されても、俺ははなさない。」
「・・・」
落ち着いた渉の声が全身に響く。

「お願い・・・はなして・・・渉・・・」
「言っただろ?あきらめない。もう玲奈をはなさないって。」
「なんで・・・」
「ん?」
「なんでここにいるのよ・・・」

我慢しようとしても無理だった。

「なんでここにいるのよ。なんでっ・・・」

こらえられない涙があふれ出す。

ありったけの力で渉から離れようとするのに、渉の力には全くかなわない。
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