友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
第9章 新しい日々
「・・・・・・」
なんと渉に言ったらいいかわからない。

渉に背負わせたくない。

この子は渉の子ではないと言おうか。

でも・・・お腹の中で赤ちゃんが聞いていると思うと、心が痛くて言えない。

どうしたら、渉を闇に引き込まずにいられる・・・?

「この子は私の子。」
「・・・?」
私の言葉に渉が顔をあげて私を見る。

「この子は私の子だから・・渉は」
「それ以上言うな」

私の言葉を遮った渉は、地面に散らばっている私のバックの中身を静かに拾い上げて、バックへ入れると、母子手帳についていた砂を払った。
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