友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「喫茶店で話をしたとき、気づけばよかった。なのに気づけなくて、ごめんな。」
「違うそれはっ、私が・・」
「違くない。」
はっきりと言い切る渉。

「この子は俺たちの子だろ?今日まで一人で守ってくれてたんだろ?玲奈が一人で」
「・・・」
「玲奈」
「・・・」
「ごめんな。気づけなくて、ごめん。」

謝るのは私の方だ。
今まで言わないで、嘘をついて渉に背を向けていたのは私だ。

見えなかった渉の心が見え始めた。

まっすぐな視線から、揺るがない覚悟のようなものも感じる。

「玲奈、この子と玲奈は、これから俺が何が何でも守る。」
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