友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
抱きしめられたまま、私は不意に渉に聞きたくなってしまう。

「私・・渉といていいのかな・・・」
「玲奈?」
「私のそばにいても・・渉は幸せになれないかもしれない・・・」
頬を涙が伝う。

「この子だって・・・私・・・幸せにしてあげられるのかな・・・」

抱きしめられたまま、私は両手でお腹に触れた。


無事にこの世に産みだしこの子が幸せだって思えるような人生を贈れるかな・・・。


不安が一気に押し寄せる。

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