友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
毎晩のように夢にうなされる私を心配してくれている渉。
でも詳しくは聞かないでくれている。

渉の部屋で一緒に暮らし始めたばかりの時、本当は渉は私の両親に挨拶に行こうと言ってくれた。

その時にどうしても両親に会う決心ができなくて返事ができない私に、渉は少し体調が落ち着いてから挨拶に行こうと言ってくれた。

いつか話をしないとならないと思いながらも、まだ話ができていない。

昔ベンチで打ち明けた時以来、私は家族の話は渉にはしていなかった。


「遅刻するよ?」
「え?あ!まずい!」
私の言葉に、慌ててコーヒーを飲み、ばたばたと渉は仕事へ向かった。
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