友達の恋人 ～ 一夜からはじまる愛の物語 ～

私の体調もあり、私たちはあまり話ができていない。

生活をはじめるのに、必要なものをそろえたり、いろいろと手続きがあってそれどころではなかったというのも事実だ。

まだ一緒に暮らして半月。
週末はまだ2回しか一緒に過ごせていない。
そのうちの一回は引っ越し作業、残りの1回は必要なものの買い出しで終わってしまった。

もう一度通っていた産婦人科で診察をしてもらえるように手続きをしたり、住所を渉の部屋にうつしたりといろいろほかにも手続きはあった。

平日はなるべく早く帰宅してくれる渉。
いつも私が食べられそうなものを買ってきてくれる。

帰宅すると私ができずに残してしまった家事をしてくれたり、危ないからと禁止されているお風呂掃除をしてくれる。
その延長で、危ないからと私たちは一緒にお風呂に入る。

すべって転んだら危ないと、不吉なことを言って、渉は絶対にそれを譲ってはくれなかった。