友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「大丈夫か?立てるか?けがしてないか?」
渉が私の腕を大きな熱い手で握る。

「・・・大丈夫」
うつむいて言う言葉に渉は懐かしい声で言う。

「変わんないな。」
「え?」
思わず顔をあげて渉に聞き返す私に渉が微笑む。

「あの時と同じ。強がり。」
「・・・」
「玲奈はいつだって我慢して、本当のこと言わない。」
「え?」
「ほら」
グイっと渉の力に私の体が簡単に立ち上がらさせられる。

「あの時って?」
思わず聞き返した私に渉が言う。
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