友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
香澄にしか言っていなかった話を渉にしたことがある。
あまりに居心地がよくて、誰かに聞いてほしかったのか、私からその話をした。
理解されたかったわけじゃない。
別に励まされたいわけでも同情されたかったわけでもない。
居心地の良さに、私が私らしくいられる渉の隣だからこそ、知ってほしかったのかもしれない。
「私は、望まれない子なの」
話し出した私に、渉はただ黙って話を聞いてくれた。
私には12歳年のはなれた姉がいた。
いつも幼いころから面倒をよく見てくれた姉。
姉が兄弟が欲しいと両親に懇願して、私ができたらしい。
両親は子供は一人でもいいと思っていたらしく、若くして建てた家も子供部屋は1部屋しかなかった。両親は家庭と同じように仕事を大切にしていて、父は弁護士、母は看護師をしていて、かなり忙しい人だった。
あまりに居心地がよくて、誰かに聞いてほしかったのか、私からその話をした。
理解されたかったわけじゃない。
別に励まされたいわけでも同情されたかったわけでもない。
居心地の良さに、私が私らしくいられる渉の隣だからこそ、知ってほしかったのかもしれない。
「私は、望まれない子なの」
話し出した私に、渉はただ黙って話を聞いてくれた。
私には12歳年のはなれた姉がいた。
いつも幼いころから面倒をよく見てくれた姉。
姉が兄弟が欲しいと両親に懇願して、私ができたらしい。
両親は子供は一人でもいいと思っていたらしく、若くして建てた家も子供部屋は1部屋しかなかった。両親は家庭と同じように仕事を大切にしていて、父は弁護士、母は看護師をしていて、かなり忙しい人だった。