友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「支度しないとな。」
渋々あきらめた渉がベッドからでる。そして、横になっていた私が起き上がるのを手伝い、ベッドから降りるときに手を差し出してくれる。

「ありがとう」
「いいえ。」
「でも、お腹目立ってきたよな。」
「うん」
「大きくなってるってことだな。」
「うん」
「早く抱っこしたいなー。」
「そうだね」

未来への渉の話も、心がちくりと痛む。

「顔洗っておいで。俺果物でジュース作るな」
「ありがとう」
渉は朝、私に果物でジュースを作ってくれる。自分用のコーヒーを淹れながら。
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