友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「大丈夫だって。」
いつの間にか支度を終えて、スーツとまではいかなくてもちゃんと挨拶へ行けるようにシャキッとした格好と髪形をしている渉が私の隣にいた。

「緊張しすぎ。顔色まで悪くなってる。」
「・・・緊張するよ・・・」
「そうだよな。」
「うん・・・」
「大丈夫。隣にいてくれたらいいから。もしも体調が悪くなったら俺の肘、思い切りつねってくれたらどうにかする。」
「つねるって」
私が渉の言葉に笑う。

でも渉も笑いながらも、半分は本気だとわかる。

渉なりに私を守ろうとしてくれている。
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