友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
家の前の道・・・。
私の足が思わず止まる。
姉が事故に遭った場所。

私の記憶の中だと、飛び出した私を後ろから・・・

「玲奈」
記憶の渦にとらわれそうになっている私を、渉が呼び止める。

「大丈夫。行こう」
私は玄関に向かって歩き出した。

チャイムを鳴らすと家の中から両親が顔をだした。
「こんにちは。お休みのところ申し訳ありません。」
渉が私の前に立ち挨拶をしてくれる。
「いいえ。どうぞあがって」
母の声が聞こえる。

「はい。お邪魔します。」
渉が少し振り向いて、私が玄関の段差を上がるのを支えてくれる。
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