友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
第15章 ほどけていく心
両親の前では絶対に泣いたらいけないのに。
大切な姉の命を奪った私が泣く資格なんてないのに・・・


私は慌てて涙を拭う。

両親の瞳も潤んでいた。

話の続きを聞くことが少し怖くて、全身が震えだす。

「大丈夫か?」
心配そうに私の顔を覗き込む渉に私は小さく頷いた。

ちゃんと今聞かないとだめだ。

両親の話をしようとしている覚悟を、ちゃんと受け止めないとだめだ。

渉は私の想いを感じてくれて、私の手を再び握ってくれた。
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