友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
私がお母さんの所へ行きたいと止める姉の制止を振り切って、買い物へ行っている母の元へ行こうとしたんじゃないの?

父の話にくぎ付けになる。

「里紗は・・・元気で、これからも生きることができる玲奈に・・・やきもちやいていたんだ。」
姉は自分の命が限られていることを知っていて、私は元気な体があって、これからも当たり前に生きられる。両親とも一緒にいられる。
やきもちだってやいて当たり前だ。

「母さんに無理言って食べたいものがあると言った里紗は、母さんが買い物へ行ってすぐに玲奈に具合が悪いから玲奈に母さんを呼んでくるように頼んだんだよ。まだ、一人で出かけたこともないような玲奈に、母さんを呼んでくるように言ったんだ。その時点で無理なことだと里紗はわかっていた。」
「・・・え・・・?」
私の記憶とはだいぶ違う。

「たまたま母さんが買い物に行くとは言っても、二人が心配で家に引き返したところで事故が起きた。」
辛いつらい記憶がよみがえる。
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