友達の恋人 ～ 一夜からはじまる愛の物語 ～

私は首を横に勢いよく振った。

「ごめんなさい・・・」
ずっと言いたかった言葉を言う。
「あなたは悪くない」
母がすぐに言ってくれたけど、それでもずっとずっと両親に言いたかった言葉だ。

「私がもう少し・・大きかったら・・・。」
言葉が涙で止まってしまう。

事故さえなければ姉はもう少し生きていることができた。

私という存在が両親を苦しめていたのはかわりない・・・。

「違う。玲奈は悪くないんだ。私たちが・・・至らないせいで今まで苦しめてすまなかった。玲奈は悪くないんだ。」
父の言葉にも私は首を横にぶんぶんと振り続ける。

私の手を強く握る渉。