友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
第16章 過去の真実
「疲れただろ。帰ろうか。」
助手席の私にブランケットをかけながら渉が言う。
「うん。」
「ちょっと寝たほうがいい。」
「ありがとう」
「いいえ。」
渉が車のエンジンをかけて、ハンドルを握る。
「渉」
「ん?」
名前を呼ばれて私の方を見る渉。
「ありがとうね。本当に。」
渉が私が休めるようにと、椅子を少し倒してくれていて、私の瞳の端から涙が流れる。
「いいえ。よかったな。」
「うん」
渉が居なかったら私はあのまま両親とわかりあえないままだった。
そして、ずっとわかりあえないまま、姉の気持ちも、両親の想いも知らないまま、背を向けてしまっていた。
助手席の私にブランケットをかけながら渉が言う。
「うん。」
「ちょっと寝たほうがいい。」
「ありがとう」
「いいえ。」
渉が車のエンジンをかけて、ハンドルを握る。
「渉」
「ん?」
名前を呼ばれて私の方を見る渉。
「ありがとうね。本当に。」
渉が私が休めるようにと、椅子を少し倒してくれていて、私の瞳の端から涙が流れる。
「いいえ。よかったな。」
「うん」
渉が居なかったら私はあのまま両親とわかりあえないままだった。
そして、ずっとわかりあえないまま、姉の気持ちも、両親の想いも知らないまま、背を向けてしまっていた。