友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「二人一緒なら大丈夫だな。きっと。」
「うん」

言葉にしなくても、渉にはちゃんと私の言いたかったことが伝わっていた。

「あっ!」
「あ~!!」

私たちは同時に声をあげた。

確かに赤ちゃんが動いた。

「すごい!動いてる!動いたな!」
渉が大感動して目を丸くしているのを見て、私までうれしくなる。

「ちゃんと届いてるって、アピールしてくれたのか?いい子だな~。かわいいな。」
目じりが下がる渉に、幸せをかみしめながら、この人の未来のためにもちゃんと過去のことを伝えなくてはならないと、改めて思っていた。
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