友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「玲奈ちゃん大好き」
そう言ってくれる唯一の存在。
「それじゃあ、私と一緒にいたらいいよ。一緒にいよう?」
私が姉のことを打ち明けた時に言ってくれた言葉に私は救われた。

私にとっては大きな大きな存在で、居場所のない私が生きられたのは香澄という存在があったからといっても過言ではない。
もしかしたら自分の人生を嘆いて・・・生きることを選ばない日が来ていたかもしれない。



一通り渉に話したところで、あまりの話の内容の重さに私ははっとして渉を見た。
黙って話を聞いてくれていた渉。
その反応が怖くて、すぐに視線を外す。

「お前」
「・・」
少しして口を開いた渉の言葉に私は耳を澄ます。

なんて言われるか怖い。
怖がる私の耳に聞こえてきたのは・・・
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