友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
その肩に触れると、ピクリと玲奈の体に力が入った。
「玲奈」
「ダメだって言ったのに・・・ダメだって・・・」
また自分を責めてる。

俺はそっと玲奈の体を抱きしめた。

小刻みに震えながら泣いている玲奈。
後ろからまわした俺の手にも次々に玲奈の熱い涙がこぼれてくる。

強く抱きしめたら壊れてしまいそうなその体を、できるだけ慎重に抱きしめる。

「愛してる」
「・・・」
言いたいことはたくさんある。
伝えたいこともたくさんある。

でも、ほかのどんな言葉よりも、一番玲奈に伝えたいのは、やっぱりこの言葉だ。

「愛してる」
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