友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
『渉にお願いがあるの』

遠い記憶。
でも今でもあの日のことを鮮明に思いだすことができる。

部活帰りに、香澄に呼ばれてバスケ部の倉庫へ行った俺に言った言葉。
香澄が言った・・・あの言葉を。

『恋人のふりをしてほしいの』

はじめはなんてばかげているのだろうかと思った。

でも、直前に玲奈から家族の話を聞いていた俺は、香澄の話に・・首を縦に振ることしかできなかった。




俺と香澄の・・・嘘があの日から始まったんだ。
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