友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
声を押し殺すようにして泣き続けている玲奈。
体が震えている玲奈。

玲奈の体が心配になって、俺は玲奈の体から離れると、玲奈の肩を抱いてすぐそばにあるベッドに座らせた。

次々に流れてくる新しい涙を手で拭っても、すぐに新しい涙が流れてくる。

「香澄は全部知ってたんだ。」
「・・?」
俺の言葉に顔をあげた玲奈。
「玲奈は病気のこと、知ってたんだよ。玲奈に俺のことが好きだって、嘘をついた日よりもっと前に」
「え・・・?」

驚きに目を丸くする玲奈。

俺はその背中をさすりながら話を続けた。
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