友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「さっき玲奈の話を聞いても、俺が知らないくらい二人が強くつながってたってわかった。」
涙を流しながら玲奈は真実を聞こうと俺の目をまっすぐに見る。

「香澄は自分の病気が分かった時、自分のこと以上に、玲奈を想ってたんだな。」
「どういうこと・・?」
「香澄は自分の命が長くはないこと、知ってたんだよ。」
「・・・」
「香澄は知ってたんだ。自分の命に限りがあること。」

玲奈が少し視線を下げて目を泳がせる。

きっと過去のことを思いだしているんだろう。

玲奈の瞳が揺れるのを見ながら俺は背中をさすり、次の言葉を伝えるのを待った。
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