友達の恋人　～　一夜からはじまる愛の物語　～
自分の命が長くないとわかった時、私は玲奈と離れることを決めたの。
だってきっと玲奈は私が病気になったことも、私が死んでしまったこともきっと自分のせいだって思うでしょ？玲奈は何にも悪くないのに。これは私の運命なのに。優しい玲奈はきっとどこかでずっと自分のことを責め続けてしまう。
私が死んだら、自分が幸せになるのは私に申し訳ないとか思い始めるんじゃないかって、心配してるんだから。

玲奈、この病気は私の背負ってしまった運命で、これは私の運命なんだよ。
玲奈は悪くない。何も悪くない。
私の嘘で、私が玲奈を突き放してしまった。これも、玲奈は何にも悪くないんだから。

今、私は病気が進行してしまって一人ではペンも握れない。
この手紙はお母さんに手を支えてもらいながら書いてます。

病気でいろんなことをあきらめなきゃならない毎日でも、私は絶望じゃなく、希望を感じています。それはね、どこかで元気に暮らしている玲奈のことを考えると、希望を感じられるの。
きっと玲奈の中で私は思い出として生き続けられる。病気でこんなに弱って自分らしくいられない私じゃなく、元気な私のままで玲奈と一緒に生き続けられている。

そう思うと、希望に想える。
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