友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「隣、行ってもいいか?」
隣のベンチから聞こえた声に私は目を開けた。

渉が私を見ながら微笑んでいる。

「うん」
私が返事をすると渉はすぐに立ち上がり私の座るベンチに近づいた。

私の横に座ろうとする渉に私は両手を広げる。

一瞬動きを止めた渉はすぐに笑顔になって、私の広げる両手の中へ体を近付け、私の体を抱きしめてくれた。

「ありがとう」
「俺も。ありがとう」

私たちはお互いに感謝の言葉を交わしながらしばらく抱きしめあった。
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