友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「ねぇ、渉?」
「ん?」
私が呼ぶといつも渉はすぐに答えてくれる。
少し体を離して私の目をまっすぐに見てくれる。

「どうした?」
「あのね」
「うん」
「ちょっと言おうか迷ったんだけど」
「うん?」
「・・・さっきからお腹痛いんだよね・・・」
「・・・ん?・・・えっ!?」
私の言葉に渉は一瞬フリーズしてから全身を跳ね上がらせるようにして驚いた。
「もしかして?」
「もしかするかも」
実は何となくお腹がチクチクと痛んでいたことを渉に言うと、渉は慌てふためいておろおろし始めた。
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