友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
第5章 光と影
その声に思わず置いたばかりのカップに手をかけてしまいそうになったのを、その声の主が咄嗟に支えてくれる。
「・・・」
うまく言葉が出なくて、私は小さく会釈をしただけで、会議室をあとにした。

会議室から出る時に、ちらりと目が合う。

その相手はほかの誰でもない。
渉だった。

足早に会議室をあとにした私はすぐに自分のデスクに戻り、パソコンを開く。
そこには一日の会議室での会議の内容や外部企業の誰が来るかというリストが載っている。

すぐにそのページを開く。

今日の今の時間帯に第3会議室を使っているのはどの会議で、どこの企業なのか。
少し震える手でマウスを動かしていくと、見つけた。
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